一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会

医療の質特別賞 / 医療の質特別賞について

現在、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会は、人工呼吸や酸素療法・呼吸リハビリテーション等さまざまな呼吸ケアを要する患者を対象にその診療レベルの向上のため広く活動してきているととともに、学会としての組織も体系化され、また会員数の増加・地方会の活性化等、呼吸器関連学会の一翼を担う学会に成長してきております。しかしながら、長年本学会の保険委員会に携らせていただきつつ、保険診療報酬適正化業務に精力を注いで参りました私としては、そのなかで診療報酬に関する本学会での報告や論文が著しく少ないことに心を痛めていました。それは同時に会員の診報報酬に対する意識の低さが根底にあるのではないかと思います。

診療報酬は、行った検査や治療に対する医療者へのいわば「公的な対価」でありますが、当該治療が医療の場で正式に認められ普及していくか、はたまた消滅していくかの「切り札」といっても過言ではないと思います。その対価を決める裏付けとなるものは、その医療行為の質そのものでありそれを証明するevidenceが必要であります。そのようなことから私は、既に本学会には学会賞などの賞はありますが、それとは別に学術集会の際に、医療の質そのものを評価しできれば保険診療に結びつけられる高いevidenceのある報告に賞を与え、少しでも学会員のモチベーションを高めたいと考えるようになりました。

もともと本学会は、医師のみならず、多くのコメディカルの方々と共同しての作業の発表が多くまた最近、患者の高齢化や医療のIT化等医療を取り巻く環境が大きく変わりつつあり、医療全体の中でまだまだ医療経済やその質に関する報告は必要であると痛感しています。

そのような状況下で、私は一昨年第26回学術集会(横浜)を開催させていただきましたが、さいわい多くの参加者をいただき、また多方面の企業からの協力を得ることができ、上記の賞のための原資を生じさせる可能性が発生いたしました。

そこで、昨年来私のこのような希望と計画について理事長から理事会および総会に諮っていただき「医療の質特別賞」として承認を得ることができました。具体的な選考過程としては、診療報酬適正化委員会(堀江健夫委員長)と毎年の本学会長が中心となり、段階を踏んで選考していただくことになっており、次に掲載させていただいている申し合わせ事項の通りであります。

最後にこの賞は、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会のために寄せられるすべての一般演題を対象にして選考されるということを基本にしており、このあとに掲載してある本賞の『規約』に則り、発表演題が適切に選考され本賞が授与され続けることを祈っております。そして本賞の意図が本学会会員に根差していくことこそが、「医療の質特別賞」本来の目的であると信じています。

2018年秋の学術集会から本賞選考が実施されますので、是非皆さまご協力またご期待ください。

第26回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会会長
前 診療報酬適正化委員会委員長  蝶名林直彦
診療報酬適正化委員会委員長   堀江健夫
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会理事長  一和多俊男